小さな会社が生き延びる術が、ここにはたくさん詰まっている
人が人を呼び、仕事がなくなることはない
「信用ラベル代表取締役、多恵豊容(たえあつひろ)さんはこう言った。「なんでだろうなあ、これは出来ません、なんて絶対言いたくないんだよね」と、
穏やかで柔らかい口調から出る言葉は、芯の強さを持っている。信用ラベルは創業44年の印刷屋。
多恵さんのお父さんから始まり、今は代表取締役を引き継いで家族で経営している。驚いたのは、和光市に根付く街の印刷屋さんなのだがその顧客層はとにかく幅広いことだ。有名な演歌歌手、世界的に有名なイラストレーター、F1関連、大手メーカー、と次から次へと様々な職種の方が出てくる。それもプリントするのはラベルだけではない。靴や機器、衣類、顧客によってニーズは様々なので、ニーズに合わせて印刷している。まさに『お悩み相談所』の印刷屋さんであると思った。他で断られた仕事を、多恵さんのもとに相談に来る人も多いそうだ。困ったら多恵さんの所に持って行こう、そう思わせるのは多恵さんの人柄だろう。多恵さんは自分のことをすごく負けず嫌いだと言う。負けず嫌いだからこそ「出来ない」とは言いたくない、と。お客さんには「まずはやってみましょう」と言うそうだ。その姿勢はお客さんにとっては、すごく嬉しいことだ。そして、それが自分の成長に繋がると多恵さんは言っている。 街の小さな会社は今、厳しい局面にあると思う。それは時代のニーズが変わってきている表れでもあり、消費の落ち込みの影響を直に受けてしまうからだ。だが、街の小さな会社だからこそ提供できることもあると、多恵さんを見て思った。自分の悩みが解決する、これはお客さんにとっては感動的だ。その感動は、大きい会社や大量生産されるものでは味わうことが出来ないだろう。多恵さんのように、目の前の人をどうすれば満足させられるかを真摯に考えている人に人は集まってくる。人は人を呼び、多恵さんの仕事は止むことはないという。 多恵さんを見ていると、小さな会社が生き延びる術が詰まっているように感じた。やはり人は、人に惚れて集まってくる。まさに多恵さんのように、人のために何かを行える人が、これからは残っていくのだろうと思う。
クレディ・プリント/有限会社信用ラベル
住所:埼玉県和光市新倉1-5-33
営業時間:9:30~18:30
定休日:毎週土、日、祝祭日
TEL:048-450-5018
WEB:https://shinyoulabel.jimdo.com (信用ラベル)
https://credit-print.com (クレディプリント)